長持ちしないと売れない世界
私たちが毎日口にする食品をどんな基準で選んでいますか?美味しいから?安いから?長く置いておけるから?
ーそれは間違いかもしれません。
現代はコンビニやスーパーでたくさんの品物が並んでいる中で、賞味期限 / 消費期限がどんどん伸びています。メーカー側は、「店頭に長く置けるから品切れを防ぎ、消費者のためになる。」「賞味期限が延びれば、食品廃棄が減少する」それぞれ真っ当な意見に聞こえます。もちろん食品ロスも大きな問題であることは間違いありません。ただ、
消費者はその食品を使い切れているかというと、冷蔵庫や冷凍庫の中で大事にせずにずいぶん前に買った食品の期限がとっくに過ぎた状態で発見されたり、もう存在を忘れ去ったまま冷蔵庫の肥やしになっている食品があちこちに眠っていませんか?そもそも防災食品でない毎日の食品にそこまで長持ちは必要なのでしょうか。
さらに健康への影響はここまで出てきていません。置き去りにされいるのです。ここに大きな警告を送るのが本書『本当は怖い!こんな長持ち食品』です。「安くて買い置きしておけて便利だから!」と思って買ったものの長期的に大きく損しているのはあなたとその家族です。
おいしくて安全な食品にお金をかけることは、健康という大きなリターンのある投資と筆者は語っています。健康への投資を怠ると、そこには食品添加物「たっぷりの」加工食品が待ち構えています。
なぜこのような食生活に辿り着いたのか。それは日本の歴史が大きく関わっていました。
敗戦で日本の食は大きく変わった
敗戦によって日本は国民全体が飢えた状態になりました。これに対してアメリカの援助が入り、「小麦」と「粉乳」が送られました。これが日本人の食生活が欧米化に舵を切った転換点になりました。1930年アメリカは農作物に化学肥料を使い始めると豊作の時代に突入しました。すると、多く取れたのが小麦でした。小麦は牛の餌になってもまだ余ったので日本に輸出されます。さらに牛の餌になったことで、牛乳がたくさん取れるようになるとバターをアメリカでは作り始めます。それでも余った脂を抜いた牛乳は脱脂粉乳として輸出されます。これでアメリカは日本に余った小麦と脱脂粉乳を送ることに成功します。
小麦と粉乳を国民に定着させる作戦
輸出したからといって、これで終わりではありません。何とか日本人のライフスタイルに小麦と粉乳を定着させねば安定的に輸出することができません。できればアメリカ式の食生活に転換したいと目論みます。そのためには、小さな頃から慣れ親しんでもらい大人になっても食べ続けてもらわねばなりません。そこで出生届を提出した親に母子健康手帳を配布し、赤ちゃんへ粉ミルクを飲ませるよう推奨します。さらに、パン食を推奨するために農林省はスピーカーを積んだ車を走らせて街中を駆け回る。学校給食ではパンと脱脂粉乳を出す。これで小さな頃から習慣化し、大人になってもパンと牛乳を飲んで貰えるようになりました。今でもファストフード、スーパー、コンビニにたくさんのパン・食パン・菓子パンが並び、牛乳が健康にいいとして飲まれています。(パンと牛乳の危険については別記事にて紹介している通りです)
敗戦によって大きく歪んでしまった日本の食文化。現在ではアメリカの方が野菜を多く摂り、健康に向けて和食が取り入れられています。一方日本では、1世帯あたりの消費金額はお米よりもパンに多く出費しているというデータもあります。
習慣になってしまっている食生活は今からでも見直すことができます。自分の力で健康を選ぶべき時が来ています。