夜空も地球も綺麗に!環境にやさしいエシカル花火とは

サステナブル

あっという間に9月に入り、連日のように続いていた猛暑もだんだん落ち着いてきました。

朝晩の寒暖差が開いてきて、吹く風になんだか秋のにおいを感じます。

そんな今の季節はアウトドアやお出かけに最適な季節で、毎週末、日本各地で花火大会の予定があるほど。

花火大会だけではなく、キャンプやBBQなどに出かけて、手持ち花火を楽しもうと考えている人も多いのではないでしょうか。

日本でも昔から愛されている花火ですが、実は環境にとってはあまりよくないのを知っていますか?

大気汚染に繋がる煙、大量のちりやゴミなどは環境破壊に繋がってしまいます。

また降りかかる火の粉で山火事が発生する危険もあるんです…

そこで開発されたのが、環境にやさしいエシカル花火です!

今回の記事では花火がもたらす環境問題や、なるべく地球に負担をかけずに花火を楽しむ方法を紹介していきます。

これから花火大会やアウトドアに出かける予定の方は、ぜひエシカルな花火について知っておきましょう。

環境に悪影響?綺麗な花火に隠れた黒い影とは

花火は日本でも昔から夏の風物詩として愛されてきました。

また中国では春節(旧歴の正月)を祝う際に、インドではヒンドゥー教のディワリ(新年)を祝う際花火や爆竹を派手にあげてお祝いするという伝統もあります。

しかし綺麗な花火が夜空に舞い上がるたびに、私たちの住む地球環境が汚染されているのを知っていましたか?

「花火=環境に悪い」と言った事実は世間では、特に日本ではあまり知られていないかもしれません。

近年では花火がもたらす環境への悪影響が懸念され、実際に伝統と花火が密接になっている中国ですら政府が許可をしたイベントや地域以外では花火が禁止に。

同じくインドでも「花火・爆竹販売禁止令」が2017年に最高裁で可決されました。

世界各地で古くから根強い人気を誇る花火ですが、なぜ環境にとって悪影響なのでしょうか。

その原因は主に以下の3つが挙げられます。

1、花火の煙による大気汚染
2、ちりやゴミが発生する
3、飛び散った火の粉で山火事を引き起こす恐れがある

ではそれぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

花火の煙による大気汚染

花火を点火するとどうしても避けられないのが煙の蔓延です。

煙は打ち上げ花火だけでなく、手持ち花火でも大量に発生してしまいますよね。

花火の煙にはダイオキシン、過塩素酸カリウム、亜鉛、硫黄、炭素ストロンチウムなどの有害物質が含まれています。

大気汚染に繋がるだけでなく、人体や動物の体にとっても有害で、大量に吸ってしまうと喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患を招く恐れがあります。

中国では春節のお祝いに大量の花火や爆竹を使用するため、花火の煙によってPM2.5の濃度が大気汚染指数で最も高い「厳重汚染」となった事例もあるほど。

ディワリを祝うインドでも大量の花火や爆竹によって、大気汚染指数が観測史上最大の999という数値を叩き出した事もあるんだとか。

また汚染された大気はすぐに回復するのではなく、汚染状態は数日間続くと言われています。

日本においては、中国やインドほど一度に大量の花火を打ち上げることはありませんが、毎週末全国のどこかで打ち上げ花火が上がるとなると、大気汚染の影響が全く無いとは言い切れません。

ちりやゴミが発生する

打ち上げ花火は大量の火薬を「玉皮」というボール状の厚紙で包んで打ち上げるのが一般的です。

基本的に玉皮は打ち上げられた際に燃え尽きますが、完全には燃え尽ききれずに地上にちりとして降る可能性があります。

玉皮の素材は自然分解されるようには作られていないため、地上に落ちたままだとゴミも同然なのです。

高い場所から飛び散った玉皮の破片を一つ残らず回収するには労力と費用がかなりかかるため、綺麗に回収するのはあまり現実的とは言えません。

飛び散った火の粉で山火事を引き起こす恐れがある

新型コロナウイルスの発生によって経済や生活に大きな支障が生まれた2020年に、日本を活気づけようと花火を打ち上げるプロジェクトがありました。

その際に北海道・札幌市藻岩山では、打ち上げた花火の火の粉が雑草に引火し、約300平方メートルが燃える火災が発生してしまったのです。

当時、花火の火の粉が降りかかると想定された場所には火災防止のため水が撒かれていましたが、それでもこのような火事が起きてしまいました。

またアメリカでは15歳の少年が山に点火した花火を投げ入れたのが原因となり、約200平方キロメートルが焼けて40億円相当の賠償金を請求されるという大規模な山火事も発生しています。

山火事はその山に棲む動物の生態系を脅かすだけでなく、大量の二酸化炭素を発生させてしまうため、環境にとっても悪影響を与えてしまうのです。

ゴミが通常の15分の1!?柿木花火工業が「エコ花火」を開発

画像出典:http://eco-hanabi.com/ecohanabi

花火は環境に悪いと言っても、夏の風物詩として日本の文化に強く根付いており、今さら花火を禁止にするのは難しいですよね。

そこで花火が招く環境への悪影響を懸念して、日本の柿木花火工業が環境にやさしいエシカルな「エコ花火」を開発しました。

エコ花火の玉皮に使われている素材は、生分解性プラスチック。

そのため空中で燃え尽きずにちりとして地上に降ってしまっても、自然に還ることができます。

また、鳥や魚などがエコ花火の破片を口に入れてしまっても問題がないように作られています。

そういった環境への配慮を大切にしながら開発されたエコ花火は、通常の花火と比べるとゴミの排出量を15分の1まで抑えることができるんです。

エコ花火は関西の花火大会を中心に使用され大きな反響を呼び、注目を集めています。

音や煙が少ない!キャンプ向け花火「CAMPING HANABI」

画像出典:http://www.firebrand.jp/camping.html

キャンプやBBQなどのアウトドアで欠かせないのが手持ち花火。

しかし手持ち花火は大きな音が鳴ったり、煙がモクモク出たりするため、周りの方に気を遣う必要がありますよね。

そこでオススメなのが葛城煙火株式会社が2022年の6月から販売している「CAMPING HANABI」です。

CAMPING HANABIは通常の花火に比べて音や煙が少なくなるよう作られているため、キャンプ場やBBQ場でも気兼ねなく花火を楽しめます。

また花火やパッケージは燃える素材でできているので、遊んだ後に無駄なゴミが出ないのもエシカルな魅力です。

ススキ花火やスパークラー花火、線香花火があるので飽きずに色々な種類の花火を楽しめちゃうんです。

アウトドアで花火をするなら、ぜひCAMPING HANABIをチェックしてみてくださいね。

伝統や風物詩の綺麗な花火を守るために今できることを

日本人にとって花火はレジャーとしてだけでなく、伝統や風物詩としても大切な存在です。

しかし花火は環境にとっては悪影響を与えてしまうため、自然を守りつつ花火を楽しむためには配慮が必要です。

また花火大会では、来場した人がポイ捨てした大量のゴミも問題になっています。

海辺や河原で開催される花火大会で発生したゴミは、海や河川に流れ海洋環境にも大きな被害を与えてしまうのです。

本来、綺麗なはずの花火で地球を汚してしまっては意味がありません。

花火大会に行く、アウトドアで花火を楽しむ場合は一度、エシカルな配慮ができているかしっかり考えてみてくださいね。

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