病気が現れてから治療を施すというのは、のどの渇きを覚えてから井戸を掘ったり、戦いが始まってから武器を修練したりするようなものだ。
『黄帝内経』(中国最古の医学書) ー紀元前2世紀
毎日朝ごはんはパン派です。なんて人は現代では多くいるのではないだろうか。時間がない朝にさっと食べられる手軽で便利な食事はたくさんの人に愛されている。しかし、今回のタイトルにあるように実はその「いつものパン」があなたを殺してしまうというのが今日紹介する書籍だ。
世界ではがん、糖尿病、心臓病や生活習慣病が死因の上位を占拠して久しいですが、近年ではその治療法も確立され徐々に死者数は少なくなっている。しかし一転して急増している病気がある。それがアルツハイマー病や認知症だ。アルツハイマー病は完治しない病だが、実は糖尿病との関連性が高いことが注目されている。そんな最新科学に基づいた私たちの認識を覆すことを本書では語ってくれる。
アルツハイマーは遺伝より環境や習慣が原因
アルツハイマー病は遺伝による発症よりも、環境や生活習慣が発端となって発症するケースが多いことがわかっている。私たちは100年の間に「高脂肪ー低炭水化物」の生活から「低脂肪ー高炭水化物」の生活に移行してしまった。これが災難の発端であると筆者は語っている。
「私たちの脳は食べるものに敏感である」だからこそ、物忘れは認知機能の低下であり脳疾患の前触れであると認識した方が良い。私たちは無知によって騙され続けている。それは栄養豊富と思われている食品を販売する業界が作り出した幻想だ。
全ての元凶は”小麦”にあり
私たちの祖先から食されてきた小麦だが、実は祖先が食べていた小麦と今口にしている小麦はまったく別物になっている。脳に関係する病気は共通するものが多く、現代人の脳機能を低下させた原因は小麦を取り入れたことにある。
それは血糖値を急上昇させるため避けなければならないと思われている食品、バナナ チョコレート 砂糖 よりも怖いものと考えるべきだ。身体にダメージを与えるのは血糖値の上げ方が他の食品と違うからだ。血糖値を下げる基本的な機能としてインスリンがある。
食事をすると血糖値が上昇する
→血糖値を下げるためにインスリンが分泌される
ーここまでが自然なメカニズムー
→さらに血糖値が急上昇する
→インスリンが大量に分泌される
→インスリンの感受性が低くなる
→さらにインスリンを大量に分泌する
→さらにインスリンの感受性が低くなる 糖尿病
というメカニズムだ。バナナ、チョコレート、砂糖よりも血糖値上昇が著しいのは小麦であった。さらに全粒小麦でも同様である。
脂肪は最良の友
巷では、脂肪分をできるだけ避けるような「低脂肪」が前面に売り出されている。しかし低脂肪=健康に良いと認識している時点であなたは騙されている。現代科学ではその逆を主張している。高炭水化物と低炭水化物を比較した大規模な調査(18カ国で135,335人 35歳〜70歳を平均7.4年調査)の結果では、高炭水化物な食事をしたグループの方が、28%リスクが高く、高脂肪な食事をしたグループがリスクが23%低かった。
実験で得られた結論はこうだ。
炭水化物の摂取量が多いほうが総脂肪率のリスクが高くなった一方で、総脂肪、および個々の脂肪は総死亡率の低下に関係していた。総脂肪および個々の脂肪と、心血管疾患、心筋梗塞、心血管疾患による死との間に関連は認められず、飽和脂肪には脳卒中との逆相関が見られた。これらの結果に照らして、食生活ガイドラインを世界的に見直すべきであろう
Stephanie Seneff, “APOE-4: The Clue to Why Low Fat Diet and Statins May
Cause Alzheimer’s” (December 15, 2009), http://people.csail.mit.edu/seneff/alzheime
rs_statins.html.
宣伝、広告などで信じられていることが、最新の科学では違うことが本書で明らかになりました。世界で常識だと信じられていることを疑って、知識を得て、行動することが健康のための第一歩ではないでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございます。わかりみ商店では食事をはじめとした健康情報、ヴィーガン、エシカル情報を発信しています。また次回の更新をお楽しみに!