サステナブルな日常のために。ファッションを通してできること

サステナブル

前回の記事ではサステナブルファッションとはどういうものを指すのかを簡単にご紹介しました。

(まだ記事を読んでいない方や、サステナブルファッションって何?と疑問を持った方はこちらからどうぞ)

今回の記事では、ファッション業界の現状をもう少し掘り下げて説明していきます。

・ファッション業界では今どういうことが問題視されているのか

・サステナブルファッションを楽しむために私たちができることは何か

というのを詳しく説明しますのでぜひ最後まで読んで、あなたもサステナブルなおしゃれを始めましょう!

世界では1秒にトラック1台分の洋服が捨てられている…

最近は「プチプラ」や「ファストファッション」という言葉が注目を集めており、高品質なものよりも低価格で求めやすいブランドへの人気が高まっています。

それに伴い生産ラインも大量生産にシフトされており、大量廃棄が問題となっているのです。

現在世界では、毎秒トラック1台分の不要になった洋服が焼却または埋め立て処分されています。

また毎年、500万人分の生活に必要な水の量を使用し、衣服から排出されるマイクロ・プラスチックが50万トンも海洋に放出されているのが現状です。

50万トンのマイクロ・プラスチックはおよそ500億本分のペットボトルに相当します。

毎年500億分のペットボトルのプラスチックが海に流れていると思うと、地球環境に対してファッション産業がかなり負荷をかけていることがわかりますね。

ファストファッション業界は労働環境にも問題アリ!?

ファストファッション業界が問題になっているのは、環境だけではありません。

実はコストの削減にフォーカスするあまり、生産者の労働環境が劣悪で人権が脅かされているのも問題視されています。

その悲惨な労働環境を象徴する代表的な事件が、2013年にバングラデシュで起きた「ラナ・プラザ崩落事故」です。

ラナ・プラザはファッションブランドの縫製工場が入っていた8階建ての商業ビルでした。

耐震を無視した違法な増築やずさんな安全管理が積み重なり、大きな8階建てのビルが崩落してしまったのです。

事故が起こる前から従業員からビルの崩落の危険性が訴えられていたそうですが、利益を優先した経営者はそれを無視。

出勤を拒否する従業員に対しては解雇をほのめかし、深夜に及ぶ長時間労働をさせていたとされています。

死者、行方不明者、負傷者は4000人以上にも上りますが、犠牲者のほとんどが工場で働いていた女性たちです。

ラナ・プラザ崩落事故はファッション業界の劣悪な労働環境が明るみになり、生産者・労働者に対する意識が変わるきっかけになりました。

新しい洋服を買うのではなく、今ある服を大切に

自然や人にやさしくファッションを楽しむために私たちができることは、これ以上無駄な洋服の消費をしないこと

今持っている洋服を大切にして、なるべく洋服を廃棄しないことこそ、とてもシンプルで簡単なサステナブルファッションを楽しむ方法なのです。

そこで今回は誰でも今すぐに実践できる、洋服を廃棄しない方法をご紹介します。

洗濯を見直してみる

基本的にほとんどの洋服には洗濯表示タグが付いています。

しかし、タグを気にせずどんな洋服でも洗濯機にポイっと投げ込んで回してしまうという人も多いのではないでしょうか?

洗濯表示タグは、その洋服にとって一番適していて長持ちさせられる洗濯方法が記載されています。

それを無視してしまうと洋服にかかるダメージが大きくなり、すぐに破損したりボロボロになったりする原因に。

きちんと洗濯表示タグの指示通りに洋服を洗濯することで、なるべく長く着られるよう意識してみましょう。

また、洗濯する頻度を下げるのもオススメです。

肌着の上から着て直接肌に触れていないトップスや、あまり汗や皮脂が付着していないボトムスなどは、必ずしも毎回着るたびに洗う必要はありません。

自分の体の状態や、洋服の素材、季節などに合わせて洗濯する頻度を柔軟に変えてみてくださいね。

※洗濯は洗剤による環境汚染や水の消費にもつながります。

環境にやさしい洗剤を使う、風呂の残り湯を利用するなどを心がけるとさらに◎

どんな洋服があるのか把握しておく

あなたは今洋服を何着持っているか把握できていますか?

買おうと思っていた洋服と似たようなデザインのものが、案外クローゼットに眠っているかもしれません。

自分のクローゼットにはどんな服があるのかしっかり把握しておくと、無駄な買い物を抑えることができます。

洋服を把握しておくために、日頃からクローゼットを整理整頓しておくのがオススメです。

クローゼットがごちゃごちゃしている人は、まずは整理整頓から始めてみましょう。

奥に埋もれて忘れてしまっていた服と再会できたり、クローゼットが見やすくなることでコーディネートが組みやすくなったり、意外と新しい発見があるかもしれません。

少しの汚れ、破損はお直しサービスを利用する

洋服が少し汚れたり、ほつれたりしたらすぐに捨ててしまっていませんか?

そんな人はすぐに捨てるのではなく、洋服のお直しサービスを利用しましょう。

洋服のお直しサービスでプロの手にかかれば、少しのシミや傷などは綺麗に修復できます。

また買った時にサイズを間違えてしまった場合、返品ができなければお直しサービスを行なっているお店で相談してみましょう。

多少のサイズ直しなら受け付けてくれることも多く、服を捨てるという選択肢を減らすことができます。

リメイクをして長く楽しむ

1枚の洋服を長く着ると飽きてしまうこともありますよね。

そんな時は思い切ってリメイクしてみましょう。

裾や袖を切ってシルエットを変える脱色・染色で雰囲気をガラッと変えるなどリメイクの方法は様々です。

自分でリメイクした洋服は愛着も湧いてさらに長く楽しめること間違いなし。

リメイク初心者さんでも自宅で簡単にできる方法は色々あるので、ネットで検索してぜひチャレンジしてみてくださいね。

新しい洋服を買うのならサステナブルに配慮したものを選ぼう

以前UPした記事では、環境にやさしい素材を使った洋服の販売やサステナブルな取り組みをしているファッションブランドを紹介しました。

しかし、サステナブルな素材の服やブランドじゃなくても、環境にやさしいファッションを選ぶことは可能です。

今回は新しい洋服を買う前に知っておきたい、サステナブルファッションを選択する方法を紹介します。

ショッピングに出かける際はぜひ意識・実践してみましょう。

・古着を購入する

洋服を購入する際は、まず古着ショップやフリーマーケットをチェックするのがオススメです。

ファッションの流行は20年周期で繰り返されると言われており、トレンドを抑えている洋服がリーズナブルに手に入るかもしれません。

いらなくなった服があるなら古着ショップやフリーマーケットに出して、リサイクル・リユースを心がけましょう。

・着回しできそうなデザインの洋服を選ぶ

サステナブルにファッションを楽しむには、流行に左右されすぎないことも大切です。

トレンドのコーディネートも魅力的ですが、トレンドが過ぎた後に着られるかどうかも購入前にしっかりと吟味しておきましょう。

流行や季節にとらわれ過ぎず、着回しできるデザインの洋服をたくさん持っておけば、コーディネートの幅も広がりおしゃれを楽しむことができます。

・値段の安さよりも質の良さで選ぶ

値段が安い洋服はコスト削減のために、耐久性や素材などにはこだわっていない傾向があります。

そのため1シーズンだけで消耗してしまうことも…。

もちろん値段も大切な洋服を選ぶポイントの一つですが、値段の安さよりも上質で長く使えるものを選ぶのも大切です。

質がよくて本当に気に入った洋服だと、余計に愛着も湧いて大切に長く着用できますよね。

意識を変えるだけで簡単にサステナブルファッションが楽しめる!

ファッションにサステナブルを取り入れるために必要なものは、私たちの日頃の意識だけです。

一流ブランドの洋服を購入したり、ファッションセンスや知識を勉強したりする必要はありません。

まずは家のクローゼットにある洋服を大切にすることから始めましょう。

なるべく長く着用して廃棄する洋服を少なくするということを意識するだけで、サステナブルな1歩を踏み出せます。

どうしても洋服を購入するという場合は、本当に必要かどうか吟味した上で、お気に入りの1着を選んでくださいね。

私たち一人ひとりのサステナブルな選択で、おしゃれを楽しみながら明るい未来を作りましょう!

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