あなたはルイジ・コルナロをご存じだろうか。上の画像がその本人の肖像画である。彼は102歳まで生きた貴族である。本題に入る前に少し彼の紹介をしよう。
ルイジ・コルナロ
ルネサンス期イタリアの貴族。ヴェネツィアのパドヴァ市の行政長官などをつとめる。暴飲暴食にあけくれた結果、30代でさまざまな病気を患い、40代で生死の淵をさまよう。そこから医師の忠告にをもとに節食生活を実践し、その結果病を克服し、102歳の天寿を全うした。その体験を綴った書籍は国内外で話題になり大きな反響を得る。フランシス・ベーコンやニーチェも書籍に言及している。
ルイジ・コルナロの生涯
なんと102歳、現代でも十分長寿と言われる年齢の長生きだ。さらにコルナロが生きたのは、1464年〜1566年なのでその凄さがさらに際立つ。彼は貴族であり暴飲暴食に明け暮れ、30代で病気を患う。こんな話には時代も地域も関係ない人間の性を感じられるのではないだろうか。さてそんな贅沢の限りを尽くし、病気を抱えた彼がどのように健康を取り戻したのか。それをまとめたのが本書『無病法』である。1558年に書かれた初版から400年が経過した今でも色褪せることがない。
そんな素晴らしい書籍の一部を本日もご紹介する。
食は日常生活の中で唯一体内に直接はたらきかける行為である。必要最小限の栄養にとどめて消化エネルギーや酵素などの浪費を避け、食害や老廃物の発生を極力おさえれば、人類がかつて野生のときにそうであったように、体内環境を自然本来の状態にたもつ、あるいは戻すことができる。そして食の多少は運命をも左右する。
食生活は健康だけでなく、人生全体に影響をおよぼす
世間では飲食こそすばらしいと思われている節がある。そのため少食は身分の低い人か、ケチがするものだと勘違いされている。しかし、40代、50代になってみな“病”を抱えるようになる。「自然が命じている単純な食生活へ戻すべきだ。」その生活こそ生命を支える最小限の量のことである。
高齢の健啖者がいるとしても
このようなことを言うと、反論するものがいる。肉や脂など大量に摂取しておきながら長生きしている人がいるではないかと。しかし彼らの主張には2つの誤りがある。1つ目は統計的にそうした長寿のものは5万人に1人であること。2つ目はそのラッキーな人に選ばれたとしても最後はなんらかの病気になっていることだ。
「太く短かく生きる」と語る者もいる。長寿の価値はしかるべく認められるべきであって、良識を持っているものは皆その価値を認めている。食生活がしかるべく正されれば、全細胞が本来の姿を取り戻す。天寿である最後まで十全に機能することができる。
食の普遍性について
宗教や思想は選ぶことができる。科学は絶えず修正を繰り返している。食の原理は只ひとつ。アメリカ合衆国起草者であり第3代大統領のトーマス・ジェファーソンにも次のような言葉がある。
あなたが才能にめぐまれ、そのうえ非常な努力家だとしたら、目標とすることはなんであれ、おそらく達成できるだろう。しかし、そのために健康をなくしては、そこに幸福はない。したがって、仕事や学問その他どんなことにも優って、健康を維持するための行為にあてる時間を、まずは確保しなければならない。
トーマス・ジェファーソン
世界では食に関する調査が行われています。「マクガバン・レポート」「チャイナ・スタディ」です。食品・農業・医療(薬品)業界から猛反発があがりスポンサーを配慮したメディアは報じる熱を抑え、私たちに届くことはありませんでした。食のバイブルとしてコルナロが、そして先人が築いてくれた知恵を活かして健康を維持していきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございます。わかりみ商店では食事をはじめとした健康情報、ヴィーガン、エシカル情報を発信しています。また次回の更新をお楽しみに!