現代人は「食べすぎ病」そう語るのが今回ご紹介する書籍の主張である。少食こそが健康の1番のクスリであることは、以前紹介した書籍でも語られていたが、今回はさらに具体的に食事の回数を徐々に減らして、最終的には断食に挑戦することで体の調子が良くなるための健康法である。今回の書籍はその理由を歴史、実際に断食に挑戦した人たちの手記、これまでの経験をもとに語ってくれている。
腹八分目に病なし、腹十二分に医者足らず
ことわざ
30年前に13万人だった医師の数は年々増加し、現在では28万人と倍増している。少食を訴える遺産として次の言葉がエジプトの碑文から発見されている。
人は、食べる量の4分の1で生きている。他の4分の3は医者の糧になっている。
6000年前のエジプトピラミッドの碑文
(Man lives on 1/4 of that he eats. The other 3/4 lives on his doctor. )
つまり「食べすぎるから、病気になる」ということを強烈な皮肉をこめて教えてくれている。
白血球を活性化して細菌を食べてもらうためには、空腹を
話を現代の科学に戻してみよう。私たちが日々感じている満腹と空腹は体の中の細胞も同じように満腹、空腹を感じている。ここでは特に白血球についてだ。満腹になると、血液中に栄養が満ち溢れて白血球も栄養を摂取し、満腹になる。白血球の主な仕事である細菌を食べる作用(貪食)は、エネルギーを補給するための行動だが、満腹であると十分に作用しない。つまり細菌を食べなくなるのだ。ということは体の免疫力は下がってしまう。
一方で空腹の時は、白血球も血液中に栄養がないので空腹になっている。そのため体の中に入ってくる細菌を食べて栄養分にする(貪食する)ので、自ずと体の免疫力が上がるのだ。つまり体にとっては、空腹の方が免疫力が高まり外敵の侵入を防ぐことができる。
このメカニズムは、風邪の時に食欲がなくなる理由と同じだ。
少食の効果
少食によってもたらされる効果は様々であるが、ここでは頭脳明晰になることを述べておこう。なぜそのようなことが言えるのかというと、1〜2食抜くことで胃腸へ供給する血液が少なく済むからである。脳細胞への血流が増し、頭の回転が良くなる。
歴史の偉人で少食を行っていた人物としてピタゴラスがいる。彼が言うには、
人の病気は過食からくる。なるべく少なく食べる。しからば、汝の体も丈夫になり、精神も立派になって、病の神も汝をどうすることもできなくなる。
ピタゴラス
と語っている。
さらに睡眠は昼間活動した臓器や器官を休ませたり、修復する必要があるため必要になる。食べ過ぎた時は胃腸に大量の血液を送る必要があり、そこに血液を送る心肺にも負担がかかる。さらには老廃物を解毒する肝臓・腎臓などあらゆる臓器に十分に休息を与える必要がある。ゆえに睡眠時間を長く取る必要がある。
逆に臓器への負担を少なく抑えることができれば、睡眠時間は短く済むということも言える。
病気前の体からのサイン
東洋医学では、病気を「万病一元、血液の汚れから生ず」としている。そして体は病が究極の状態に行き着く前に種々の反応(サイン)を出している。それが東洋医学で言う「未病のサイン」だ。
代表的なものでは、
- 赤ら顔
- 鼻の頭が赤い
- 目の下のクマ
- 歯茎の色素沈着
- くも状血管腫
- 痔
- (女性の場合)子宮筋腫、生理不順、生理痛
- 手のひらが赤い
- 下肢静脈瘤
それぞれ病気の原因を絞り込んでみると、「食べすぎ」と「冷え」が病気の原因に集約される。体が病気を追い出そうとする免疫力を司っているのは、白血球の働きであることは冒頭で述べました。自然に治癒しようと体が起こす反応が「食欲不振」と「発熱」であると考えれば、根本原因はその反対の「食べすぎ」と「冷え」ということになります。
つまり「食べない」+「体を温める」が病気を治す最良の方法であることが自ずと理解できるはずです。
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