近年広がりを見せているヴィーガン。人間の数は現在79億人と、80億人に迫る勢いで増加しています。その数の100倍1000億も飼育されているのが家畜です。我々が肉食をするためだけに育てられ殺されています。ここでヴィーガンについて記事を書くことも、スーパーで買い物をする時に肉を買わないことも個人的行動です。しかし、本書ではそれだけでなく社会構造の変革も合わせた両輪で行うことが大切だと語ります。
社会構造がヴィーガンの足枷になっている現実
ヴィーガンに取り組むにあたって、もちろん購入できる範囲に非動物性食材を買うことができる環境が不可欠です。しかし、その人の生活水準(さらに言えば人種など)によって住む地域が限られているケースが世界にはあります。不健康な加工食品ばかりが並ぶ地帯(いわゆる”食の砂漠地域”)に暮らしていることで、健康のために非動物性あるいは加工されていない食品を買おうとしても手に入らないケースがあります。
これらの人々が肉食に関する現状を知り、ヴィーガンを目指したとしても現実的に実行することは難しいことは明白です。そこでこれまで動物愛護や消費によって訴えを広めてきた個人活動を継続しながら、政府や企業への働きかけという社会行動を同時に行うことが大きなムーブメントを作ることにつながると筆者は語ります。
それではどのような戦略でこの課題に立ち向かうべきなのか。その戦略をまとめたのが本書なのです。