マクガバンレポートってなに?
時代は1975年、アメリカで発表された食生活に関するレポートです。この時代アメリカでは心臓病やガンが急増しており、その影響から国の医療費負担の比重がとても重くなっていました。この医療費の急増によって国は破産する!と懸念されていました。
そこでこれらの心臓病、ガンの原因究明を目的としてまとめられたのが「マクガバンレポート」です。レポートで原因は食生活にあることを明らかにしています。そしてその改善策は、動物性食品を減らし、植物性食品を増やすことを掲げました。
その理想的な食事として、日本における野菜や海藻、魚を中心にした和食であると取り上げられています。平成25年(2013年)12月「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。その和食を私たち日本人はどれだけ日常的に食べているでしょうか。
ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」とは(農林水産省より引用)
南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。
このような、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
「和食」の4つの特徴
(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。
(2)健康的な食生活を支える栄養バランス
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。
(4)正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。
私たちの先祖が食べて来た和食は、現在みなさんご存知の通り様変わりしました。当時のアメリカのような食事に囲まれ、マクガバンレポートでまとめられているように心臓病やガンそして、糖尿病、肥満など多くの病気で医療費はこれまで以上国の財政を圧迫しています。
化学調味料による肉食化、ファストフード、インスタント食品によって食の豊かさを優先し、食事による健康を疎かにした結果が現在の日本です。安くて便利な食品が重宝され、貧富の差によってこれはさらに加速しました。
食を見直すことで、あなたの健康が改善するだけでなく日本も救うかもしれません。まずはできることから行動してみましょう。